猫田のサブカルインフォメーション

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夢のその先とは?「アイドル、やめました」大木亜希子

 アイドル、と聞いてどんなイメージがありますか?

 

 かわいい衣装に身を包み、キラキラの笑顔で華やかなステージで踊り、ファンを魅了する…。

 

 しかし、その舞台で長く活躍できるのはほんの僅かな人間です。

 

 この本は、元AKB48のアイドルたちにその後のセカンドキャリアについてインタビューしたもの。

 

 彼女たちのアイドル時代選ばれるための努力や苦悩、今の道に進むための決断などの話は、一般の人でも仕事で悩んだときためになり、勇気づけられるものではないかと思いました。

 

 また、この本を読んで学べたことが二つあります。

 

 一つ目が「壁にぶちあたっても自分に何ができるか考え、行動することの大切さ」です。

 

 クリエイターの佐藤すみれさんは6歳の頃から子役として活躍されていました。

 

 要求されたことに対して「完璧にできる子」が前に出ていくのが当然だった子役時代。

 

 一方、アイドルは垢抜けていなくてもカリスマ性がある子や、ダンスが苦手でもファンから人気がある子が中心的な位置にいく現実。

 

 そこからは「自分にできることで頑張る」と切り替え、先輩たちが急な体調不良や仕事で公演に出られないときに自分が出演できるよう、あらゆる曲の振り付けを睡眠時間を削ってでも覚え、運営スタッフが代打メンバーを探していると聞きつければ、積極的に名乗りを上げ、出演できるよう直談判しました。

 

 その結果、15歳の8月を迎える頃には研究生から正規メンバーへ昇格し、大手事務所への加入が決まったそうです。

 

 厳しい現実を目の前に腐らず努力し、周りにアピールすることは見習うべきことだと思いました。

 

 二つ目が「最初の夢が叶わなかったとしても、その過程でしてきた努力は無駄ではなく、今後のキャリアに生かせる」ということ。

 

 例えば、保育士の藤本美月さんは、子どもたちが発表会で踊るとき「衣装もステージの構成も、SKEでの経験があるから自由にいろいろと考えられて。やっていることが全部繋がっているなって、ちょっと怖いくらいです」と語っている。

 

 また、SKEのときに女の世界の上下関係を学んでいたからこそ、女性の多い職場にもなんとか馴染めたそう。

 

 一見、アイドルと関係なさそうな職種でも、経験が役立つことがあり、人生に無駄はないのかもしれないと思えました。

 

 仕事で悩んだときや挫折して挫けそうなときに読んでほしい本です。