俳優 堺雅人さんの意外な一面を知れるエッセイ本「文・堺雅人」
堺雅人さんの俳優としての日常生活を綴ったエッセイ本です。
堺さんが当時見聞きした情景描写がとにかく細かく描かれていて、記憶力が半端ないなと驚きました(;^ω^)
そして独特の表現や人間味溢れる文章。まるで堺雅人という主人公の物語を読んでいるような気持ちになりました。
さらに、撮影現場のオフショット付きと嬉しいおまけも!中でも、共演した本郷奏多君が描いた堺さんのシュールな似顔絵と、その隣になんとも言えない表情で写っている堺さんにはほっこりさせられました(*^▽^*)
「シュッとした頭のいい人」というイメージがあったのですが、読んだ後の印象はこう変わりました。
幼少期からの調べ魔さん
手術という言葉の言いにくさに腹が立ち、誰が手術という言葉を考案したのか文献上の初出を探したり、幼児園児のときは「カベムシ」という役があてられ、図鑑でその虫について調べたそうです。
幼稚園児の堺さんがカベムシを演じるために図鑑で調べ上げようとしている姿を想像すると、かわいくて、面白いなと思いました(*'ω'*)
何事も深く調べて考える堺さんだからこそ与えられた役をきちんと理解して表現できるのかもしれませんね。
型を徹底的に身につける
バーテンダー役をやるとなるとシェーカー素振りを日課にし、少年時代野球をしていたときは素振りを毎日欠かさずやっていたそう。
このことを堺さんはこう分析しています。
僕の場合、人前にでる準備として、ひとつの「型」を身につけるために素振りをしているようである。たぶん「型」をヨロイのように身にまとい安心したいのだろう
型を身につけるには何度も同じことを繰り返す必要があります。
様々な役を魅力的に演じる堺さんの根底いは、地道な努力があるんだとわかりました。
何かを身につけたいと思ったときは基本を徹底的に繰り返して、自分のものにする。
そういう姿勢を大切にしたいものです。
めちゃくちゃ文才がある
このエッセイ本を読んでいると、堺さんの博識のすごさを強く感じますが、同時にクスリと笑えるところもあります。
例えば、少年野球をしていたとき、自分が打席に立つ姿を「敗北の儀式」「白旗をかがけた軍師のように、せいいぱい威厳をだして」という表現が面白かったです。
また、電車に乗っていたとき、隣に座っていた女の子二人組が、堺さんが出演しているTV番組「恋愛新党」について話しているのを聞いているときの堺さんの心情が面白くて思わず吹き出しました(笑)
このように俳優、堺雅人さんの人柄や考え方、日常が垣間見える1冊となっています。