生きるヒントを教えてくれる本「蒼井優8740DIARY2011~2014」
本書は蒼井優さんが本当に会いたい33人たちとの対談を収録したものです。
対談の相手は演出家や俳優、映画監督、料理家、大学院教授など個性的な人たち。
リズミカルな文章でスラスラと読めつつも、様々な人生観や仕事で心掛けていることは心に響きました。
特に印象に残った対談が2つあります。
1つ目が女優の小泉今日子さんとの対談。小泉さんが生きることに消極的な若い子に向けた言葉で、「先に自分の怖いものを全部リストに書き出してみるといいかも。とりあえず、それをひとつずつ経験してみると話が早いと思う」。
昔は小泉さんも心を閉ざしていて、自分にダメ出しばかりしていたとありました。
そこで怖くてできないと思い込んでいたことはひとつひとつ行動して怖いものリストを消していき、変われたとのこと。
今は自信に満ち溢れているように見える小泉さんも少しづつ自分の壁をぶち壊していったんだなと思いました。
小さな1歩でも踏み出すことで強い人になれることを学べました。
2つ目が漫画家の羽海野チカさん。昔の自分のことを「ラジカセ犬」と表現していました。「子犬って逃げないようにと大きなラジカセにつながれていると、大きくなっても逃げられないんですって。ホントは、ラジカセを引っ張って動かせる力がついているのに、どうせ動かないと思い込んでいる」。
ラジカセ犬の話を聞いて思い込みって怖いなと思いました。本当はできるのに「できない」という固定観念がその人を狭めているかもしれないからです。
また、羽海野さんは地道に努力する大切さについても語っています。
「物事がうまく行った人を後から見ると運が良いように見えるけど、実は近道はしていない。紐解けば、とても地道に努力しているんですよね」
つい、成功した人を見ると「元々才能があったからだ」と思いがちですが、成功するだけの努力もされている人が多いんですよね。
できない自分を嘆くだけでなく、努力をして1歩1歩進んでいきたいです。
対談した方々から見た蒼井さんのことも語られているのですが、イメージが変わりました。見た目と違って意外と体育会系で、お芝居に対する熱量が貪欲。失敗を恐れずに果敢にチャレンジしていく姿は素敵だなと思いました。
23歳の頃は仕事を辞めようかと半年間のお休みをもらっていて、それでも仕事を続けようと思ったことや、東日本大震災を通して自分を見つめ直したことなど蒼井さんの素の思いが書かれていました。
そのほかに、蒼井さんのファッションへの考え方や得意料理など彼女のプライベートな面も知れて面白かったです。対談者とのツーショット写真も素敵でした。読めば読むほど蒼井さんの魅力に惹きこまれつつ、人生で大切なことを教えてくれる1冊です。