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未来の妄想してますか?「野心のすすめ」林真理子

 「野心」について、人を蹴落としてでも自分の野望を叶えるという、どちらかというとあまり良くないイメージがありました。

 

 しかし、本書では野心を実現するための想像力と努力することの大切さについて、作者のエピソードとともに書かれています。

 

 著者は林真理子さん。大河ドラマ西郷どん」の原作となった小説家でもあります。

 

 すんなりと作家として成功されたと思いきや、就活中は40社以上の企業から不採用通知を貰ったり、大学卒業後は植毛の仕込みのアルバイトをしていたりと、苦労されていたようです。

 

 しかし、懐かしく眺める日が来るだろうと思い、不採用通知の束をリボンで結んでいたり、将来大金持ちになったら今の貧乏時代のことを忘れしまうだろうから日記をつけていたりと、辛い状況ばかりに囚われずに、未来をプラスに想像していることがすごいと思いました。

 

 よく未来の自分に手紙も書いていたそうで、その理由について、

 

「昔は良かった」と過去を懐かしむような自分にはならないぞ、という決意を込めていたんですね。未来の自分は、「いまの私がいちばん幸せ」と、いつも思っている自分であってほしいというメッセージを託していました」

 

 人ってどうしても若い頃と比べてしまいがちですが、年をとっても素敵に生きるためには、林さんのような心の持ちようが大切なように思えます。

 

 また、今の状況をまずいと思うなら「河岸(かし)を変えてみること」についても挙げています。

 

 林さんはコピーライター養成講座に参加したことで、優秀賞をもらって自信がついたり、紹介で就職ができたりと「新規まき直し」になったそうです。

 

人生のリセットは何度でもできるんです。でも、自分でないと難しい。新規まき直しに一度成功していたから、自分を信じて馬力が出せたということもあると思います。新規まき直しを繰り返すと、さらに自信がついてくるんです」

 

  新しいことを学んだり、人と話したりなど、思い切って今の状況を変えることも時には必要なのかもしれません。

 

 本書は叶えたい「野望」があるけど、中々行動に移せない人の背中を押してくれる一冊です。