猫田のサブカルインフォメーション

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とにかく笑えて、生き方のコツも学べる「夢をかなえるゾウ」水野敬也

「夢をかなえるゾウ」

 作者は水野敬也さん。処女作「ウケる技術」が30万部超えのベストセラーとなり、去年の4月に放送されたドラマ「私結婚できないんじゃなくて、しないんです」は、著者の「スパルタ婚活塾」が原案となっています。

 成功したいけど中々、行動に移せない主人公が、関西弁を話すインドの神、ガネーシャから出される課題をこなしていくうちに、成長していく物語。

 ストーリー仕立てで、夢を叶える秘訣を学べるだけでなく、自由奔放なガネーシャとその行動に振り回される主人公のやりとりが漫才のようにコミカルなので、次のページを早くめくりたくなります。

 ガネーシャは成功する秘密を教える前にあんみつを要求したり、朝食にベーコンがないと不機嫌になったり、腹八分目が大切だと言っているくせに、自分は限界まで食べていたりと自由気ままな性格。そんな神様でもたまにハッとさせられるようないいことを言うところがこのキャラクターの魅力です。

「成功しても、成功せんでも、気張って目標に向かって努力しても、つい誘惑に負けて寝てしもても、ワシ、自分のこと好きやで……成功だけが人生やないし、理想の自分あきらめるのも人生やない」

    努力して失敗しても人生は続いていくし、それはけっして悪いことではないと言ってもらっているような気がして心が温かくなりました。

 また主人公が悪戦苦闘しながらも、がんばる様子に、「自分も夢に向かって頑張りたい」と勇気や気力がもらえます。

 本書の中で紹介しているガネーシャの教えは靴をみがく、食事を腹八分目におさえる、会った人を笑わせるなど、日々の日常で実行できるものばかりです。

 その中で「応募をする」という教えがあります。

「世の中に、どんだけぎょうさんの仕事がある思うてんねん。しかも、その才能を判断する人、どんだけおる思うてんねん。確かに、なかなか自分の才能は見出されんかもしれへん。けどな、それでも可能性を感じるところにどんどん応募したらええねん。そこでもし才能認められたら、人生なんてあっちゅう間に変わってまうで」

 このガネーシャの言葉は人生を変えたければ教えを聞くだけでなく、自分で積極的に動くことや「自分には才能がない」と諦めるのでなく、とりあえず応募して人生が変わるきっかけをつかみとる努力をする大切さを語っているように思えます。

この本は

・人生を変える方法を知りたい人

・漫才のような面白みのある小説を読みたい人

という人におすすめです。